効率化だけの生産性向上なんてやっても無駄

2022年10月5日水曜日

カルチャー

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コストの削減を徹底すれば、劇的に生産性が上がるなんて思ってない?


2010年代の後半頃から、日本企業の間で、生産性向上が流行りだした。各社は、そのために、まずは会議の効率化に取り掛かる。「会議の時間を〇〇割削減!」などと、その成果をアピールし合った。それは、ある種のブームの様相となっていた。

しかし、その多くは、考え方が根本から間違っていた。そもそも、会議の時間を短くしたところで、生産性に与える影響はたかが知れている。それなのに、問題の本質には、なかなか目を向けることが出来なかった。結果として、未だに大多数の日本企業では、生産性は低いままだ。


確かに、コストを減らせば、利益が増えるのは間違いではない。実際、工場の生産工程などでは、コスト管理は必須の課題となっている。しかし、生産性を大きく向上させたいのであれば、狙うべきポイントは別だ。向くべき方向が真逆なのだ。

端的に言えば、考えるべきは、儲かる製品やサービスを生み出す方法だ。そのためのアイデアを絞り出すことに、必死になることが求められる。間違っても、ちまちまと経費を削ることだけに、頭を使っていてはダメなのだ。

それなのに、その発想の転換が、あまり上手くはいっていない。どうも、日本企業の社員たちは、新しいアイデアを創造するのが苦手らしい。そのため、回り回って、結局はコスト削減にばかり一生懸命になってしまう。それこそが、この問題の本質だ。


じゃあ、どうすればいいか?

まずは、間違った刷り込みを消すことだ。具体的には、効率化と生産性を結び付けるロープを、切らなくてはいけない。その意識が浸透すれば、そこで初めて、アイデアの重要性に皆が気づくはずだ。そして、そのアイデアが生み出した製品やサービスが、生産性を押し上げる原動力となってくれることだろう。


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