仕事に「やりがい」は必要か?

2021年10月4日月曜日

キャリア

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我々は与えられた場所で咲くべきなのか?

ビジネスの界隈には、二種類のタイプの人間がいる。一つは、やりがいなど無くても、安定したパフォーマンスが維持できる直線形タイプ。もう一つは、やりがいが無いと、パフォーマンスにムラが生じてしまう曲線形タイプ。これからの時代、自分がどちらのタイプに分類されるのかを、しっかり理解しておくことが重要だ。


当然のことだが、直線形タイプであれば、やりがいなど気にする必要はない。目の前の仕事に没頭していれば、自ずと結果はついてくる。だから、仕事選びも比較的簡単だ。給与や勤務時間などの、条件面さえ満足のいくものであれば、ハズレくじを引くこともないと思われる。


一方、曲線形タイプだと、そうはいかない。条件面の他に、仕事の中身も精査しなければならない。だから、適職を見つけるのは大変だ。それ故に、ミスマッチも起こりがちで、「思った仕事と違う!」などと、不満を漏らす者が出てくるのだ。


ここで、一番に問題となるのが、自分のタイプに無自覚であることだ。例えば、曲線形タイプであるのに、直線形タイプのように振る舞おうとすると(あるいは、振る舞うことを強要されると)どうなるか?

「どうして自分は、やる気が足りないんだろう? もしかしたら、ビジネスパーソンとして、欠陥があるんじゃないのか?」

と、不安に感じることがあるだろう。周囲に直線形タイプが多い場合だと尚更だ。直線形タイプと自分とを比較してしまい、自信を失っていくのだ。


更には、他者のタイプに無自覚である場合も、問題が生じやすい。直線形タイプの人間が、曲線形タイプと対峙した際に、彼らにありがちなパフォーマンスのムラを、気持ちの問題として片づけてしまうからだ。結果、益々、曲線形タイプからやる気を削いでしまう。それでは、人材の有効活用は難しかろう。一部の働き手のパフォーマンスを、上げることが出来ないなんて、残念でもったいない愚かな行為と考えるべきだ。


では、どこから手を付けるべきか? まずは、自己分析の徹底だろう。働き手のモチベーションの源(=やりがい)が、どこにあるのかを探るのだ。そうすれば、適材適所といった、人事面での対処が可能になり、ミスマッチも減らせる。

幸い、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の機運は高まってきた。個性を尊重する考え方も、浸透してきている。ならば、その取り組みの延長線上で、不満を持つ者のその不満を取り除いて、「やりがい」与える(獲得する)工夫をしてみてはどうだろう。

そうすれば、無理解による不公平は解消され、世の中はきっと、良い方向へと進んでいくはずだ。理想として掲げるべきなのは、誰もが楽しく仕事に向き合える、「やりがい」に溢れたビジネスの世界だ。


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